心肺蘇生緊急医療チームシミュレーション(BLS,ALS) 救急医学講座 金子教授
医学部5年学生救急医学臨床実習では、Laerdal SimMan3GTMを用い、一チーム6-8人で蘇生チームを構成、心停止シナリオを用い訓練、ビデオデブリーフィング及び評価を行っています。
獲得目標は、緊急蘇生チームメンバーとして、CPRを実行する、BVM換気を実行する、電気的除細動を実行する(マニュアル式)、薬剤投与(アドレナリンの投与)、記録、などであり、それぞれ責任もって実行することが求められます。また、緊急蘇生チームリーダーとしてのコンピテンシーも重要です。役割分担を指示、CPRを指示、CPRの質をチェック、心電図波形を確認しチームメンバーに伝える、除細動を明確に指示し実行されたことを確認する、薬剤投与を明確に指示し実行されたことを確認する、鑑別診断を考慮するなどです。
シミュレーターでリアルな病態を再現し、学生は模擬診療に取り組みます。その後自分たちの診療を記録したビデオを見て、お互いに批評的な討論をいたします(デブリーフィング)。その討論の中でテキストや講義だけでは身につけられない重要な部分を理解します。
授業では、知識技能態度が目標レベルに達しているかチェックリストで評価します。学生の感想は、「チームリーダーのたいへんさがよく判った」、「チームリーダーをしていると頭が真っ白になります」、「チームメンバーとのコミュニケーションがとれた」、「チームメンバーの把握ができなかった」、「実際の現場で蘇生チームに入ってCPRができそうです」、「細かい手技の練習がいかに大事か理解できた」など、実習自体への満足度も高く好評です。
心肺蘇生そのものの習得以外に、リーダーシップ、チームワークについて学習する機会も得られます。役割分担(誰かが欠けても困る)、学生同士の励まし合い、グループ内での個人の責任、対人コミュニケーションスキルなどを学ぶことができます。
帝京大学
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