薬剤師の一次救命処置の修得を目指して
薬学部では、医療の担い手としての薬剤師を育成するために、シミュレーターを用いた実践的な教育を行っています。1年次には、医療人として身につけておくべきスキルの一つである一次救命処置のトレーニングを行っています。このトレーニングは、実際に学生がバイスタンダー(救急現場に居合わせた人)になったとき、心肺蘇生法を実践できることを目的としています。したがって、インストラクターは薬学部の教員だけでなく、医学部救急医学講座の医師や救急救命士をはじめ、医療技術学部や高等看護学院の教員、附属病院の看護師など、さまざまな医療職種により構成されています。また、本トレーニングは、5年次の臨床実習(病院・薬局実務実習)を行う直前にも実施し(4年次の実務実習事前学習)、スキルチェックを行っています。
薬剤師に必要なフィジカルアセスメント
一方、臨床現場における薬剤師の重要な業務として、患者の薬物治療効果の判定や重篤な副作用を未然に防ぐことが挙げられます。とりわけ、薬物治療における副作用のリスク回避、患者のQOLの改善といった薬学的患者ケアは重要視され、日本病院薬剤師会では患者の不利益を回避または軽減した事例を“プレアボイド”と称して収集・集積しています。
薬学的患者ケアを実践するには、患者の状態を常にチェックすることが必要不可欠になるため、4年次以降の臨床薬学総論(統合学習)でシミュレーターを用いたフィジカルアセスメントを実施しています。バイタルサインの測定方法を習得した後は、薬剤性の副作用の兆候がみられるかについて、各種症例を設定したシミュレーターを用いてアセスメントし、重篤な副作用回避(間質性肺炎など)のための適切な処置方法を学びます。これらの学習を通して、臨床現場で医療スタッフの一員として活躍できる薬剤師の育成を行っています。
帝京大学
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