シミュレーターの使い方 - シミュレーションレッスンをデザインする -


1-1. 目標設定 学習目標を設定します

 

目標とするコンピテンシーを明確に表現するとシミュレーションの設計が容易になります。 以下の過程で目標が明確になることは、シミュレーションレッスンが完成に近づいているといえます。

1-2. 学習目標を分析

 

Taxonomy による分類を用いて課題分析を行います。分析した課題、認知領域、精神運動領域、情動領域に分類されます。認知領域(知識)の課題は階層分析を行い、何をどの順番で学習するかを設計します。精神運動領域(手技)の課題は、一般には手順分析を行いてその過程を明確にします。情動(態度)の領域は、シミュレーションにおける行動、発言、振る舞いを総合的に判断できるよう課題を設定します。この領域の評価は、ペーパーテストでは、不可能で行動を観察することで行われます。

 

階層分析の例(認知領域):不整脈

手順分析の例(認知領域、精神運動領域):AEDの操作

1-3. Case map が有効です

 

目標を設定分析したら、それらを統合しどのような一連の行動を目標とするか時間軸上で整理します。Case map が有効です。横軸が時間、縦軸が目標とする行動、マトリックスの中には、バイタルサイン、心電図波形や患者状態を記入していきます。左から順番に模擬患者の全身状態が変化していきます。

2-1 学習方略 シミュレーションデザイン

 

SimDesigner にてプログラム作成(LLEAP, Muse)

シミュレーターに付属しているプログラム作成環境でプゴグラムを組み立てます。学習目標に沿ってシナリオをデザインします。

 

2-2 シミュレーター選択(例) SimMan3G

 

シミュレーター、医療機器、必要なデバイスなどを選択します。

 

2-3 環境デザイン(例)Resuscitation room

 

シミュレーション教育センターでは救急部門の環境画像をモニターやプロジェクターで再生し環境映像としています。よりFidelity(忠実度)の高い環境を目指します

3. 学習評価:評価方法設定

 

チェックリストを作りましょう。チェックリストは学習目標のエッセンスです。

重要な項目を網羅したシンプルなチェックリストを考えます。

4. アルファテスト 目標再調整

 

チェックリストができたらシミュレーションシナリオをテストします。実際、学習者が想定されなかった行動を起こすこともあり再調整が必要です。学習目標とのギャップを埋めるには、シミュレーションそのものの変更と学習目標の再調整があります。

5. βテストの後いよいよシミュレーションレッスンスタートです